蒼海ガールズ!

「そのとおりよ! シューたんみたいに可愛い子が、男の娘のはずないもの!」

蒼海ガールズ! (GA文庫)

蒼海ガールズ! (GA文庫)

蒼海ガールズ! 2 (GA文庫)

蒼海ガールズ! 2 (GA文庫)

蒼海ガールズ! 3 (GA文庫)

蒼海ガールズ! 3 (GA文庫)

気軽に読んで楽しめる、ラノベらしい作品だったと思います。

国を追われた美少女と見まごう程の少年が、女だらけの軍艦に女装して正体を隠すが……。という、流行の「男の娘」モノです。
形を変えたボーイミーツガールであり、ある意味少女達からみればアイドルみたいな立ち位置ですね。
そんな中で、女装したシューフェン皇子あらため、シューがいじられるコメディ。
シューを海から救ったファムとシューの不器用すぎる恋の描写がにやにや出来て、良い。ラストのアラミス流「一夫多妻制」のオチは、あーなるほどという感じで笑えます。

最初は美少女として、みんながシューたんはぁはぁしていたけれど、途中からは「男の娘」としてはまっていく所はアリだなぁ、と思うし自分自身そんな見方で楽しんでいました。

18世紀の海洋ものをモチーフとした、帆船戦闘は結構力が入っていて、そちらの方もかなり面白いと思います。
コメディシーンとは打って変わって、戦闘でゲストではあっても名前持ちキャラがあっさりと死ぬ所は、容赦ない。
セネカ艦長が良い戦術眼の持ち主で、不利な戦局をひっくり返す所は溜飲が落ちますね。
3巻で敵の旗艦を拿捕するため、攻撃するところとか素晴らしい。

ちょっと残念なのは2巻以降がコメディよりになったためか、物語としてちょっと芯が弱いかな、という感じを受けました。
1巻は国を追われ、母や家臣を殺めた敵との対峙という部分が良い緊張感を与えていましたので。

脇を固めるサブキャラ達はどこか、残念な部分をもっているのですが話が進む上で面白くなっていくんだろうな、という要素は多かったと思います。そんな中での3巻完結は、ちょっと残念。

波長が合う方だと思うので、新作を楽しみに待っています。