スイレン・グラフティ

(わたし、庭上さんの漫画が読みたい──完成したところを、ちゃんとこの目で確かめたい──!)

スイレン・グラフティ わたしとあの娘のナイショの同居 (電撃文庫)

スイレン・グラフティ わたしとあの娘のナイショの同居 (電撃文庫)

 

 大切な投稿用漫画原稿を傷つけたことで、同級生だけど接点が殆ど無かった蓮を半居候させることになった、主人公の彗花。慣れない漫画の手伝いに食事に風呂の世話など、どうしてこんな事に──?

 

良い青春ガールズ友情モノでした。百合を期待した部分も有ったのですが、今回は二人がお互いを意識した所まで。親友以上百合未満というところかな?

嘘が下手で傷を隠して孤高を貫く狼と、おっとり羊な主人公がそんな狼さんに惹かれて行く、そんな話です。

 

教師にも平気で反抗し、遅刻早退は当たり前の問題児の連が隠していた秘密を知ってしまった、彗花。しかも弱みを握られて自宅を提供しながらおさんどん。最初は困惑していたのに、不良とは思えない蓮の漫画への熱い想いに胸を打たれいつの間にか彼女と一緒にいるのが当たり前のように思っていく過程を丁寧に描いているのがよかった。

だからこそ終盤、すれ違ってしまい蓮が自宅から去ってしまった後の喪失感が納得いく流れになっていましたので。

 

彗花の自宅での描写がメインになるのですが、彼女の双子の弟妹たちがまた可愛く描かれていて和みました。ともすれば退屈になりかねない所に良いアクセントになっていたなーと。