さくら荘のペットな彼女 4

「そんなこと言うなら、わたしの中から出ていって!」

さくら荘の面々で文化祭のゲリラ出展作品を作り上げ、観客からの評価に深い達成感を感じる空太。しかし、自ら応募するゲームの企画は全て落選。やり切れない気持ちを抱えている時に、マンガ連載が始まるましろの様子がおかしくなって──。

ましろましろましろっ! 頑張れ、超頑張れと応援したくなる巻。
いや読み応えがあった。キャラクター達の揺れ動く気持ちや焦燥感がすごいな。ましろと空太を中心にサブストーリーの部分で美咲と三鷹の関係も描いていてどうなるんだ、という先が気になる流れが良い。

空太の事が好きという想いを心に住まわせてしまったましろ。それをどう表現したら良いかわからず、とにかく空太に好かれたい、構ってもらいたいと彼女なりに表現する姿に胸が熱くなってしまう。ヘタ以前の問題なのに空太のお弁当を作ろうとするとか、自分の好きなモノを上げれば喜んで貰えるとバームクーヘンを毎日空太に送るとか……。
ええ、普通の女子高生の行動じゃない。けど、人との付き合い方が分からない、ましろの懸命な行動と分かる描写のせいで、ぐっと胸に来る。

七海は本当に可哀想な気がする。ましろの事を空太も意識しているわけで、ここからどう攻めるかという所も引き立て役で終わってしまった巻でしたから。良い娘なんですけどね。「自分を好きになってくれる人を、好きになれたら楽なんだけどね」彼女の作中の呟きが、とても切ない。

ラストのヒキもあり、次巻も期待してしまいます。