木崎くんと呼ばないで!

「あたし、もっとうんと乙女修行して、すっごい女の子らしくなってみせる!」

木崎くんと呼ばないで! (GA文庫)

木崎くんと呼ばないで! (GA文庫)

気さくで表裏の無い明るい性格と運動部の助っ人を掛け持ちする程の運動神経の良さで、皆から王子様のように慕われている少女。「くん」とは言われても「さん」は似合わない。そんな彼女が一人の少年に恋をして──。

うん、これは読んでいて楽しかったです。男前な女の子は好きですか? 自分は大好きです! 彼女と友人の関係にあった主人公が、木崎「くん」のために乙女修行に付き合っていく内、木崎「さん」に惹かれてしまう。もう、王道のラブコメで読んでいてにやにやしてしまいます。

木崎くんの無防備っぷりというか、女の子の自覚なさの描写がまた良かった。すーすーするスカートもスコートがあるから大丈夫と裾をぺらっとめくったり、どきどきする胸の鼓動を教えようと主人公の手を掴んで胸に押しつけたり、とやりたい放題な所はいいなー。

ストーリーというより、キャラの雰囲気が面白くて読んでいたという話かな。
キャラと言えば、木崎くんの親の知り合いであり学園の先生であるクミチョーの存在感が大きかった。登場回数はそれほど多いわけでもないし、イラストも無かったのに。どう見てもやくざの組長が人情の分かる古文の先生っていうギャップも面白かった。
(サッカーの)球とったれやぁ! とか、中華屋で一人酒を飲んでビール瓶が並んでいるなどの所が面白い。