瑠璃色にボケた日常

「無論剥き出しだ。この真夏日にパンツを穿くなんてどうかしている」

瑠璃色にボケた日常 (MF文庫J)

瑠璃色にボケた日常 (MF文庫J)

将来を嘱望されていたが不慮の事故で肩を壊した野球少年の主人公が、ライバルに取り憑かれた。除霊できると噂で聞いた学内の「おはらい研究会」に藁をも掴むおもいで行ってみたら──。

冒頭にあるようなおバカで下ネタが散りばめつつ、割とシリアスめのしっかりとしたお話。自分は結構好きなタイプで楽しんで読んでいました。
おはらい、ではなくお笑い。そんな日本語のトラップにはまり主人公は天上天下唯我独尊なヒロインの有働瑠璃にお笑いの相方として強制入部させられてのトラブルの日々。成仏できない霊のことなので死がメインに出ているので、そこに至るまでと解決の部分がシリアスになるのですが、読んでいると不用意に重くなりすぎず良いバランスだったかと思います。

メインヒロインの瑠璃と彼女の親友でありライバルの翠。二人とも魅力的で良い娘でしたね。えれっとさんのイラスト力も相まって映える。
自己中で主人公を論破し、有り余る行動力でお笑いに突っ走る瑠璃。生真面目で人付き合いがヘタだけれど、実は心優しい高嶺のお嬢様系の翠。話が進むことで垣間見える本心の部分が可愛いなぁ、と思わせる。少しずつ関係を重ねて相手が気になっていくという流れはいいな、と思います。

ヒロイン達が結構直球でシモな事を口走るので苦手な人にはキツイけれど、そういうのが笑える人には楽しめるんじゃないかな。
文章も読みやすいので、新人さんとしてはこの先も追って行きたいです。

しかし、満開ロリロリ天国は不意打ちだった。小田切くんはどういうつもりだったんだろう。