ヤマグチノボル先生が亡くなられた

いつものように仕事をし、いつものようにお昼を食べながらネットをチェックしていて知った。
メディアファクトリーの公式アナウンスを見て本当の事だと……。ガンを患っていたのは知っていたけど、フォローしているtwitterでは3/31まで普通に呟いていたのでまさかまだ、という思いが強い。

ゼロの使い魔は、何度も読み返すくらい好きな話でいつも新刊が出るとすぐに読んでいた。ヒロイン達が魅力的であるのは言うまでもないけれど、自分はサイトの描かれ方が特に好き。
何処にでも居そうな少年が、悩んだり笑ったり時にはちょっとエッチだったり。サイトは本当に面白いやつで、魅力があるなぁと思っている。ギーシュたちオンディーヌ隊の連中もサイトに惹かれ、男の子と同士のバカふざけや、友情の絆みたいなシーンを多く描いている所。自分は少年の成長というのを描いている所が本当にいいな、と思う。

今日、帰宅して最新刊である20巻を読み返したが、やっぱり面白い。サイトを救いにルイズたちがエルフの本拠地に殴り込みをかけ、エルフ達の度肝を抜くという盛り上がる所で終わっている。
悲しいなぁ。続きが読めないという事が一人の読み手である自分には、ただただ悲しい。

今、読み返してゼロの使い魔の20巻で、心に残るシーンがある事に気づいた。シエスタがルイズを力づける所だ。

「はい。ではですね、未来の話をしましょう」
「未来?」
ルイズはきょとんとした。
「こんなに状況は絶望的なのに?」
「そうです。絶望的だから、未来の話をするんです。せいぜい、楽しいことを考えるんです。バカバカしい事を、真面目に議論するんです。深刻な顔したって、状況はぴくりともかわらないんですから」
そのとき、再び砲声が轟く。『オストラント』号は急回頭。ルイズとシエスタは船室の壁に叩きつけられる。
「こんな状況で、バカバカしい話?」
「そうです。楽しいじゃないですか。死んだらそれまで。でも、最後の瞬間まで、わたし、楽しんでやるつもりです」

最初に読んだ時には普通に読み流してしまったけれど、先生の立場を考えると、すごく力強い。twitterも辛い事は呟かず、日々感じたよしなしごとをpostしていた姿が被ってしまう。

ヤマグチ先生お疲れ様でした。
ゼロの使い魔で本当に楽しませてもらいました。