おいしいサンドイッチの作り方 スタンバイタイム

「だから君はモブキャラなんだよ。人間関係に波風が立つことを極端に嫌う」

これは良いボーイ・ミーツ・ガールでした。不器用な少年と少女の恋心に向き合う姿が悶えるくらい美味しくて最高。青い春を謳歌しているなぁ学生! って感じですね。

モブキャラ的存在から脱却して、友人たちや女の子と仲良く会話やイベントをこなす高二らしい生活を送りたい、と思っていた主人公。しかし誰とも会話できず、高二デビューが失敗したと思われた始業式初日。剣道部のイケメンに声を掛けられ、もう一人大人しくしていた女の子と三人で帰宅したときに一杯のコーヒーと出会って──。

主人公が親友になりたい! という男友達と、彼女にしたい! というヒロインへの接し方が真剣で応援したくなる感じだった。主人公とヒロインがぼっち系で友達を欲している似たものタイプで、すんなり接近できるのか? と思わせて親友ポジの剣道部のイケメンが吐露する意外な恋心のせいで三角関係の部分が面白く読めた。3人とも不器用な所が若くてまた良かったかな。

美味しいコーヒーを淹れるのに食べ物は壊滅的な腕前という喫茶店店長の天宮さんがまた、良いお姉さんキャラ。主人公がヒロインの決死の覚悟を理解していないことにダメ出しし、かつ恋の行方を応援するところは素敵でしたねぇ。キャラの中ではヒロイン以上に店長がすきです。おっぱい大きいし(最低)

設定的には空気読むスキルが喫茶店の有能な店員スキルになるというのも面白い見方でした。実際それで、主人公が料理スキルを上げていき愛しいヒロインとのために頑張る流れに載せるのは上手かった。文章のテンポもよいし、気軽に読んで楽しめる作品でした。
続き、読んで見たいですね。