すてっち！

何が食いたい？　明日見舞いに持って行くからまってろよ
　返信が来た。
よいとまけ

すてっち！ (HJ文庫)

手芸部に属する5人の女子高生が織りなす、ゆるゆるでお莫迦な日常を描いたラノベ。
あとがきで4コマ風を狙ったとある通り、短編連作を連ねたものです。

何か凄い出来事がある訳じゃなく、ちょっと抜けた少女達のぼけと突っ込みの娯楽ラノベ。
二人で進む会話はノリもよく、笑える部分も多々あって楽しいのですが……。
ただ、描写力というか文章力が微妙。はっきり言うと、古いラジオドラマの台本のような書き方。つまり、地の文が会話をしているキャラの動作を直接説明しているだけになっています。そのため、読んでいると違和感をもってしまい、3人以上になると非常に状況が掴みにくい場面が多くあります。
正直、前半を読んでいる限りではこれはどうかな……と感じた主な理由は上記に挙げた書き方によるものでした。

とはいえ、キャラの雰囲気は悪くなかったし、二人の会話の流れでは面白いので、分かりやすい描写が出来るようになれば大きく印象が変わるように感じます。

なんじゃこりゃーと思いつつ、良い方向に伸びたら娯楽ラノベとしては良いセンを付くのではないかと思わせる不思議なデビュー作だったと思います。