オオカミさんと○人間になりたいピノッキオ
「たしかにかなりベタ惚れってかんじでしたっスね。でもまだおれのほうがよりベタ惚れしていると思うっスけど」
- 作者: 沖田雅,うなじ
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2010/07/10
- メディア: 文庫
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オオカミさんにルビコンを渡ってもらい(と言っても手を繋ぐ程度)限りなく恋人に近くなったオオカミさんと亮士。
ああ、もうニヤニヤするしかないなぁ、と思いきや、さすが沖田先生。相変わらず、変態ちっくな試練を二人に与えています。
そんな具合で、カップル確定ながらもコメディとして楽しめた巻だったなぁ、という気がします。
そんな中で、ちょっと異彩を放ったのが田貫さんと宇佐見さんの短編。二人とも仲が良いような描写がありましたが、まさか……。
で、朝チュンを迎えた二人がお約束なエピソードを魅せます。
どちらかというと、二人の後日をいろいろと想像するのが楽しい読後だったように思います。
見方を変えれば、変形な百合関係にも見えるのが独特。個人的には腐れ縁で仲の良い女友達な関係が続くような雰囲気でした。
クリスマスが過ぎて、結婚に焦るOLの宇佐見さんとお姉さんちっくな田貫さんの間でなんとはなしに……というのもありかと。
好きだから、性別は関係無いというところを一歩越えて、一緒にいたいというのが田貫さんの深層心理なら……。
そして、宇佐見が田貫さんに温もりと安心感を求めたら……。案外、働く宇佐見さんと主夫な田貫さんWith愛の結晶で、上手く纏まるんじゃないかなぁ。
……と、本編の主人公カップル以上に印象が深かった気がします。
いえ、ラストの白雪先輩の弟たちにけしかけられたデート(!?)のオオカミさんと亮士の雰囲気もとても良かったですよ。
ホント、安定して楽しめるオオカミさんシリーズだったと思います。
……って、次が本編最終なんですか。残念な気がしますが、本編としてはこれ以上続けるとだらだら感が出てしまう気もしますのでむしろ英断かと。
そのかわり、番外短編をじゃんばり出して欲しいかな。
オオカミx亮士以外にも魅力的なキャラが多いので、彼らが起こすエピソードは今後もいろいろ読めればなぁ、と思います。