バカとテストと召喚獣 8

「ちょ、ちょっと玉野さん!? 落ち着いて手を離して──」
「可愛くて可愛くて、もう食べちゃいたいくらい可愛いのっ!」

バカとテストと召喚獣8 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣8 (ファミ通文庫)

玉野さんに全面に同意……じゃなくてて。今回は姫路さんのターン。両親が帰国できないという所から、明久と姫路さんの同棲生活が始まって……。
姫路さんの敢闘精神がすごい。これが、恋する少女の力なのか、というくらい必死でアピールしているのですが……。
さすがは、主人公属性を持った明久。姫路さんにキスされるまで、気づきませんでした(お約束)。

自分は美波党なのですが、これでもか! という姫路さんの明久すきすきオーラに、「これは可愛い……」と思わざるを得ませんでした。好きな男の子の布団の香りをつい嗅いじゃうところとか、ちょっと露出のある服を着てのアピールとか。
そして、バランス感覚が絶妙なんですよね。エロじゃなくて、ちょっとえっち(ひらかなが重要)な描写がバカテスの世界観を壊さず、読み手をどきどきさせる感じが。
並の作者だと、一糸まとわぬ姿とかだして安易に流れそうですが、それをしないのが井上先生クオリティ。良く分かっているな、と感じ入りました。

その上で、玉野さんのアキちゃんへの迫り方がもう、ね。あざといのかもしれませんが、だからこそ言いたい。それが良いのだと! 123Pの玉野さんがアキちゃんを……な、挿絵は指定した編集様GJ!と諸手を挙げて感謝してしまったし。

……というか、ヒロインではなくアキちゃんのモロ肌脱ぎを見て喜ぶ自分は(自主規制

えっと……。話を戻して。
ストーリー的にも、Fクラスが敵に回ってきた状況での召試戦争を起こされるというものできちんと読ませるのですから上手ですよね。

どたばたとしながら、ラストが! とうとう直接、行動に走った姫路さんと明久。そして、美波がどうなるか。
終盤の形が見え始めてきて、寂しいと思うのはやっぱり好き故なんでしょう。

にしても。あとがきでさらに笑ってしまうとは想像していませんでした。井上先生、恐ろしい娘です。
……上司の娘さんとか。読者になっていそうな気もしますね。