ゴールデンタイム 1
「こんなにばかなことしてるのって、この世で私だけだよね、絶対」
- 作者: 竹宮ゆゆこ,駒都えーじ
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2010/09/10
- メディア: 文庫
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話の流れや、記憶喪失の主人公を巡る想いや懊悩も良く書かれていますけど、自分は香子の立ち位置がすごいな、というのが第一印象でした。
幼い頃から幼なじみを生涯の伴侶と見据え、しつこくつきまとったあげくに拒絶されてしまう香子。ヤンデレというか、ダメな人として普通ならサブヒロイン的な立場なのでしょうが、立ち位置が上手かったとしか言えない。
相手に一方的に自分の理想を押しつけて、強硬な態度で接する……だけなら、ヤンデレのテンプレなのですけど、その後がおおっ、っとうなった。
自分の行動が、ダメだった。「ヤってしまった……」と気落ちして、汗が止まらなくなるくらいの普通の恋する女の子なのです。
そんな彼女と一緒にいるうちに主人公が、香子に恋してしまう。
ラノベに珍しく、主人公が自分の気持ちに気づいて香子に告白するところが良い。鈍感ではなく素直に伝えてからの恋愛モノってラノベとしてはあまり無いのでその意味でも凄いし、楽しみ(鈍感主人公ハーレムモノに食傷したのもあります)
なるほどなーと、思う。イケイケモードの後の、落ち込みっぷりや、C-3POと揶揄される怪しげな阿波踊りしか出来ずにショックを受ける香子を見せられると、人間的な女の子として受け入れられてしまう。
そんな主人公と香子の関係を軸に、人間関係が複雑に絡まってきて続く話が気になってしまいます。
香子の想い人であった光央や光央が惹かれた千波に、失われた記憶の中で仲の良かった元クラスメートのリンダがそれぞれの思いを胸にどう動くのか。続刊を期待──。
って、来年の春なのですか。ああ、なんか凄く生殺し感があります。早く、続きを読みたいですね。
※なんとなく、大昔の月9的なちょいとどろどろな雰囲気になりそうな気もしますが、それもまた楽しみかな。
個人的には古いPSゲームの「リフレイン・ラブ」という大学生の恋愛モノが好きだったので、そういう意味でも楽しみです。