ただいまのうた 2

「笑っとけ。力溜まるから」
「そんで、またがんばれよ」

ただいまのうた 2 (花とゆめCOMICS)

ただいまのうた 2 (花とゆめCOMICS)

両親を6年前に事故で失った花寺5人兄妹の2巻。悲しみを乗り越えて、笑顔を忘れずにいる兄妹。そして、時々顔を覗かせる、両親がいない寂しさ。でも前向きに進む話が好きなんです。
で。今度は泣かされない、ぜったい泣かないと思ったのですが、ラストの梅太の話にやられました。
長兄の桜兄のバイトを中心になんとか生計を立てている花寺家。当然、余裕はなくて簡単な服や、バッグなどをヒロインである向日葵手製のものを使用していたりする。
一番下で、6歳の梅太がその事で学校のいじめっ子グループに付きまとわれて嫌がらせされる話が、クる。
話の流れがずるいほど、胸に沁みるんですよ。人間関係というか、一人一人がそれぞれ悩み、対立しながら意見を受けて纏まっていくところとか。それ以外の描写も凄くて是非読んで、と思うほど。

優しすぎて、相手にケンカを売れない梅太。弟を、いつもはクールな守銭奴の三男葵が梅太にどうしても許せないときは泣いて耐えるだけではだめだ、と諭すシーンがイイ。
また、武闘派長兄の桜とオカマな次兄の菊が梅太を思ってお互いに対峙し、その事を桜の幼なじみに足りないところを補っているという台詞で心を動かされて認めるところとか。
もう、読み甲斐があるところばかりで、伝えきれないくらい。

最後に梅太がいじめっ子に立ち向かい、ぼろぼろになって家に帰ってきたときの花寺兄妹の団結力が素晴らしい。
だれも、梅太を傷つけた奴を懲らしめることに躊躇しないのだものw
サーチ・アンド・デストロイなのか、花寺家の家訓は! と思うくらい。

他のエピソードも良いモノばかりでしたけど、2巻の白眉はこの話に尽きます。
少女漫画は恋愛モノというイメージを持っている人には、是非とも読んで欲しい作品だと改めて思いました。
切ないけど、暗い話じゃないので気になったら読んで欲しいですね。

それにしても、梅太に肉を腹一杯食べさせてあげたいと思ったり。少ない肉を味合うためにキャベツでお腹を膨らませてから肉を食べるという話を聞いたらねぇ……。