変態王子と笑わない猫。 2

「べったりべたべたいつでも一緒にいるより、ときどき一緒にいるからどきどきするほうがいいんだ。遠くなるぶんだけ、うれしくなることもあるよ」

変態王子と笑わない猫。2 (MF文庫J)

変態王子と笑わない猫。2 (MF文庫J)

夏休みも終盤。しかし、月子との距離は近づかず、むしろ空回りばかりで焦りだけが募る横寺。そんな彼に不幸のダメ押しなのか、自宅が忽然と消えた! 途方にくれる中、月子が自分の家に泊まりますか? と救いの手を差し伸べられて。もしかして、ラッキーなのかも?

ヒロインを可愛く描く作品だな、と。絵もそうですが、文章の表現の方でも可愛くてしょうがないですね、本当に。
ヒロイン三人がそれぞれ魅力的に描かれていましたよ。

月子の可愛い嫉妬と切実な望み。変態王子の事がホント、この娘は好きなんだなぁ、と改めて思ってしまう今回の話。はい、ちょっとほろっとしてしまいました。いやぁ、255ページの月子の上目遣いのイラストの力もあって、ラストの謎明かしの部分は月子にくらっとしてしまいます。主人公の莫迦なアプローチのせいで恋人として好きとみられていないと勘違いして、妹的立場でもいいから、というのは反則、卑怯。もう月子が可愛いくてしょうがない。
また、ここでの主人公がさりげなく格好良くていい。こういう所だけはきちんとやるんだものなぁ。もげろw

あと驚いたのは鋼鉄の王がむちゃくちゃ可愛い生き物になっちゃっている事! 正直、イロモノで終わっちゃうのかと思っていたのですが、家族想いの部分を上手く掘り下げてきて、やられた。早くに亡くなった両親の事があって、妹と二人で生きてきたことの重み、大切に考えてしまう気持ちが良く理解できます。
にしても、もうフラグ立ってしまうとは。変態王子、すごいよ!

そして、忘れちゃいけないのが梓。ふびん萌え系少女なんでしょうか。沖縄旅行の主人公のスルーっぷりはひどすぎ。二人きりで沖縄に旅行することをずっと考えていたんだろうなぁと思うと涙が……。
しかも今回は、お預け状態な感じで可哀想過ぎる。
でも梓って本気で主人公のことが好きなのね。端から見れば分かるほど、隠す気もないようですが。嗚呼、それなのに主人公は気づかない。
でも、あれです。次巻は梓の逆襲らしいので、メインで活躍するところが読めるとあって期待です。