ニーナとうさぎと魔法の戦車 2

「私、応援します。お二人の恋も、夢が叶うことも」

ニーナとうさぎと魔法の戦車〈2〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)

ニーナとうさぎと魔法の戦車〈2〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)

生まれ故郷へ向かうニーナ。立ち寄ったエンデ市で、故郷から逃れた人たちが開拓村にいるらしいと聞き、家族との再会できる希望が。しかし、村は安全のため部外者は立ち入ることができない言われて肩を落とすニーナ。そんな彼女に手を差し伸べるゴスロリに身を固めてた隻眼の美少女。彼女こそ、エンデ市の市長であった。

えっ、こんな最終対決になってしまうの……? すごく、とても切なく哀しかった。ゴスロリ美少女市長のテオドーレちゃんの天使モードの部分が大好きでした。だから、真相が見えて、実は元兇が彼女だと解ったときから「うわー、止めてくれぇ。テオドーレちゃんとレオナルト、死なないで逃げ切って、何かの形で復活してくれ〜」
無理でした。ええ、もうばっさりと。きっちりちゃっきり、血の華が二輪咲き乱れましたとも……。ブレがないなぁ、兎月先生。

確かに、二人が暗い復讐のために人を何人も殺めていた事は身勝手なもので、許されるモノではないですから。でも、死んで終わり以外の積みの償わせ方をこの二人にさせて上げられなかったか、とも。
まぁ、それは自分のキャラへの思い入れが強いだけでエンディングとしては間違いではなかったと思います。

それにしても、ニーナにとっては厳しい結末でした。けど、この娘は本当に強い。テオドーレちゃんとの事を乗り越えて、彼女のように幸せを追い求めようとする人を、悲しい事が起こる前に救いたい、と思える前向きさが好きです。そんな彼女だからこそ、テオドーレちゃんは友だちになりたかったのでしょう。

テオドーレちゃんが自決した時に呟いた最後の言葉「ありがとう」は、きっと冒頭にあげたニーナの気持ちへの感謝だったような気がする。許されない業を背負ってしまった、彼女にとって切実に欲しかった友だちにこれ以上ふさわしい言葉は無かっただろうな、と。

続きは、今回ワキ役となってしまった感があるラビッツの面々とニーナがメインでどのように描かれるのか期待です。