○×△べーす
「姉上なんか、姉上なんか……ぶっ・た・お・せええええええええええええええ!」
○×△べーす (1)ねっとりぐちゃぐちゃセルロイド (ファミ通文庫)
- 作者: 月本一,日高フウロ
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2011/01/29
- メディア: 文庫
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ただのおバカなコメディかなぁ、と思ったら結構熱い熱量があるスポーツラノベでした。
中学生まで、生活のほとんどを野球に打ち込み努力の結果手にしたエース。その彼が指導した同輩の少女にわずか一ヶ月で追い抜かれ、マウンドから背を向けて逃げ出してしまった。
なるほど、ショックだよなぁ、と思う。しかも、その天才少女に「師匠!」と慕われてしまうので、落ち込むかなとも。
けど、努力していた彼を慕っていた幼なじみの柳瀬純。そして、中学時代の彼の投球を見て感動し、怪我のハンデを乗り越えてキャッチャーとして花開いたキャプテンの中村。
物語の中盤、こんな展開が来てしまったらもう熱くなるしか無いじゃないですか。しかも、ワキ役の連中も変人なのに良い連中で主人公の悠を支えていくのだもの。
ベタですけど、こういう流れに弱いのです。
あと自分にとって好きなタイプの純がヒロインだったのも、この作品が好きな理由。姉のせいで慕っている悠が大好きな野球を辞めてしまったというのが本当にやるせなかったんだろうなぁ。
それを何とかして救いたい、とする所は恋する少女でぎゅーっとしたくなりますもの。
この娘、助っ人部のダサTを着てしまう所をみると、ホント真面目なんでしょうね。不器用な丁寧語少女を見ると全力で応援したくなります。
姉の水無美は逆に怖い気が。無邪気すぎるけど、ちょっと周りが見えていないという感じがして。まぁ、悠の事が好き過ぎなだけかもしれませんが。
序盤のギャグにはちょっとノレなかったけど、ストーリーの展開が良くて読むのを進める力があると思います。ネタで入れてきた「タイマン野球」はあれはあれでキャラの性格を上手く見せていたし。
ワキ役も面白いし、シリーズものになるようなので次巻も楽しみです。ブラック白山先輩はホント怖いわ。
あと、校長が大人げなさ過ぎ。