人類は衰退しました 6

解☆決(横ピース)

人類は衰退しました 6 (ガガガ文庫)

人類は衰退しました 6 (ガガガ文庫)

祖父から言われた「鳥人類コンテスト」。人力──人間の力で作成した──飛行機械の飛距離を比べる催しに半ば強制で参加させられた「わたし」。安全対策係を押しつけられるが、参加する飛行機はどれも墜落しそうな危険なものばかりでどうしましょう──。

今回はノリが面白くて読んでいる間、くすくす笑ってばかりです。「解☆決(横ピース)」にはやられました、ホント。
鳥人間コンテストで墜落確実な飛行機械をなんとか安全なものにしようと妖精さんに頼るまでは、普通の発想。けど、妖精さんが出した道具のとんでもなさが予想の斜め上。
剣や爆弾! で危険部位を攻撃し、成敗すると冒頭のかけ声をあげる事になるとは。
何が出てくるか予想が付かないから、このシリーズはホント読むのが楽しい。

後半のマンガ系の中編は、やりやがったなぁという感じ。BL系即売会なネタと週刊漫画連載ネタがこれまたシュールで、トゲや毒がちくちくと刺さる刺さる。
同類誌というネーミングを創作するところが素敵。BL系マンガを発掘したわたしの友人Yが、腐女子に目覚めて共感する女性を巻き込んでしまう騒動は、愉快でした。
女性サークル系あるあるネタでちくちく攻めてくる感じなので、そっち系な人が読んだら苦笑しそう。

週刊漫画連載ネタは、かなり黒い笑いというか……。いやぁ、人気を上げる手法や、その飽きられ方。はたまた最後の連載打ち切り後についての、一言は……。田中ロミオ、黒い、黒すぎるよ! そんな所が好きですけどね。
でも、よく考えると男性読者が多いのだから、わたしとYの百合ネタを入れてくれてもよかったのにと思ったり。作中、二人に速攻で却下されていたのには思わず苦笑。

にしても、解☆決(横ピース)は、つい使いたくなるフレーズですね。でも、普通の人には気づかれずにスルーされる罠……。