はるかかなたの年代記 2 荒ましき驃騎兵

「そうですわね、マミヤユウは本当に素敵な殿方ですもの」
「──でも、貴方の魅力に気づく女性は、あまり増えてほしくないですわ。でないと、貴方の距離が遠くなってしまいそうですし」

カティアを護ると誓ったユウは、己の力の秘密を抱えつつ生徒会長のアレットや仲間のクリスたちと「換象」を磨く学園生活を過ごしていく。しかし、カティアの秘密を狙うパンノニアの精鋭、驃騎兵が暗躍して──。

ストーリー以上に、生徒会長のアレットの可愛さに目が行ってしまいました。美少女と間違われてばかりのユウを初めから男として認め、しかも惚れてしまったら。それも、恋する乙女の行動力でユウとの距離を縮めていく姿はもう恋する乙女ですよね。ユウの言動に一喜一憂して、頬を赤くするところも良い。
しかも、大胆な一端も魅せてくるのが素敵。冒頭の台詞なんか、会長大攻勢の片鱗ですから。会長好きにはたまらない巻だったかと……。
もうね。不慮の事故とは言え、ユウに生しりをもみし抱かれて彼さえ良ければもっと先を、とか「換象」の共鳴関係で、一緒に力を使うと感じてしまうとか、どれだけなんでしょうか。ヤキモチ妬く姿に思わずにやにやしてしまいます。

一方、伏兵は女教師のグロリア。最初は戸惑うし、裸を見られるはある意味散々なはずなのに、ユウの男らしさや真摯な姿に心を奪われて、これまた後半積極的に。最後は、わざわざ一緒に混浴するなんて、なんて破廉恥な教師。や、素で分かっていなくてやっているんですけどね……。
グロリアの気持ちも分かりますが、会長派なのでごめん、応援は出来ないかなぁ。

一方、カティアの方は今回(ユウに対する)動きが少ないけど、心の整理を付けた後は結構積極的な。自分が人造人間であるという事に引け目を感じて、アレットとグロリアのユウに対する想いに一歩引いた姿は、ちょっと痛々しかったかな。もちろん、それが解消される流れは良かったですね。
次巻はカティアのターンなのかな? けど、個人的にはアレットが負けずにユウといい仲になって欲しいのですが……。

クリスとフローラの過去の繋がりと、今の良い雰囲気も悪くないです。二人の間も、昔の少なくない因縁が邪魔をしそうですがこちらも素敵カップルだと思うのでどう乗り越えていくかが楽しみ。

ストーリー的にも動いてきて、ユウの換象のとんでもない強さをみせたりと読んでいて飽きさせないと思います。というか、ほぼ無敵じゃないかと思うのですが……。カティアを作った「父」の影も見えてきて、次巻以降も展開が気になります。

にしても。表紙と良い、口絵といい、ユウと会長の見せ場が多い巻でした。二人の仲を全力で応援したいわたしでした。
表紙はホントにいいなぁ。壁紙として配布してくれないかしら、編集部様(へこへこ