シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と緑の工房

「俺は誰かに、助けられたことはない。どうすればいい? おまえが俺を助けるというなら、俺はなにをすればいい。教えろ」

今回はシャルとアンが甘々だった気がしますね。シャルがアンのことを好きだと自覚してしまった訳ですよ。
上記の台詞を読んだ時はもう、シャル可愛すぎるだろうと思ってしまったり。不器用な妖精だなぁ、もうっ! って感じ。
そして、アンの台詞に「お前を待つ」と応えるのですから。
もう、プロポーズみたいなもんじゃね? きゃーっ! と一人脳が沸いていた私です。

今回の試練って、シャルが捕らえられているという状況の割りには読んでいて厳しいなぁという感じが少なかったと思います。
それは、傾きかけたペイジ工房をアンが旗頭となって頭の固い職人達に少しずつ受け入れられながら、目的を目指すという流れだったからかな。
アンに仲間が出来ていく過程が心地よかったのです。それは冒頭に表された、「家」というアンの憧憬が少しだけど具体的になったと感じられたから。そういう意味で、温かい話だなぁと。そういうの好きだから……。

元からの仲間であるミスリルも派手さはないものの、本当にアンとシャルのことが好きなんだなぁという描写が多くて微笑ましい。シャルがアンの部屋に来られるようになった時のはしゃぎようがいいなぁ。あと、アンとシャルの恋路を応援する姿も良い。

とりあえず、当面の危機は脱した感があるけど他の工房との摩擦を予想させる描写やラストの謎な妖精など次巻も安閑とはできなそうです。夏が待ち遠しいね。