俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!?
「……言っておきますけど、本官は貴方の攻略対象には入っていませんよ?」
俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!? (HJ文庫)
- 作者: なめこ印,和狸ナオ
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2011/06/01
- メディア: 文庫
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しかも、世界を救うとそれぞれのヒロインに惚れられて、もれなく世界滅亡フラグって?
作者のアイデア勝ちでしょう、うん。読んでいて楽しめました。ハーレムモノって正直、多すぎてふーんで終わるのが多いこの時代、うまく別の角度で切り込んで来たなぁと感嘆しました。
異世界に行って、俺Tueeee!で世界を救ってヒロイン達をゲットしてハーレム。
地球は狙われていて、俺Tueeee!で地球を救って……以下同文
これ、単体なら「はいはい。それでは次いこー」なんですけど、合わせ技で来ましたよ、うん。それが、実にはまっていたと思います。
ヒロインが、テンプレ的なほどヒロインなのに主人公がらしくない。血筋故に、世界の破滅を救うという『物語』にいやが応にも巻き込まれてしまう。しかも、能力は一般人のまま。いや、これどうなるのって思ったのですが……。
主人公なんですよね、烈火は。能力は一般人なのだけど、良いやつなんです。
理不尽に世界から、バッドエンドを押しつけられるヒロインを間近に見てしまうと放っておけない。そんな彼が、救うと決意すると運命の歯車が良い方向に回転してしまう……。
ハイ! ご都合主義ですね。ですが、ナニ? テンポ良く進む語り口のおかげで、読んでいて楽しいのですよ。それぞれ苦境に陥っているヒロインを見て、ムシできない。それだけでも主人公の資格がある。そして、異世界を股にかけた事で手に入れるチートアイテムで上手く救っちゃうのが小気味良い。ラスボスの竜が6ページであっさり焼き肉になるとか、笑ってしまうくらいあっさりw
本作は、軽妙で心地良い台詞とストーリーの回し方と危機に陥るヒロインが可愛くて、救いたいと思う描写が合いすぎている。(異世界の召喚師のウブでまっすぐな方言娘とか異星人の気位高いけど、惚れたら尽くします系な娘とか)
なので、詰め込み過ぎなはずなのに、読み終えると疲れもせず楽しかった余韻が残るだけ。地味だけど、上手いなぁと思うことしきりでした。
ヒロインたちの性格がありがちという指摘を受けても、関係無い! というようにしっかりとしていたからかな。
問題が解決して、現実世界にもどりましたけど異星人のイリスや異世界人のハリッサが可愛いので続きも読みたいなぁと思わせます。……幼なじみの娘は、次巻の奮闘を期待するという感じで(切ない系なんですが、なんか態度にイラ☆、とするというか)。
結構詰め込まれている感じもしますが、押さえるところは押さえた上で笑わせてくれるので、続きも楽しみですね。個人的にはイリス嬢ルートを希望……。