G.L.2 ブラを買いにいったら男に戻れなくなったので、とりあえずキスしてみた!

「そうか、拙者は……」
「…………恋をしていたのだな」

「女の子として」隙が多いわ、常識がないわとマリアにダメ出しをされまくる伊織とミツヨシ。そんな二人は学園祭で、生徒会主催の演劇のメインを演じることに。伊織がジュリエット、ミツヨシがロミオ。はたして、無事に乗り切ることができるのか?

とても面白くなっていて、驚いた2巻でした。百合でキレのあるSFになっているじゃないですか! 大好物ですよ、ホント読んで良かった〜。
ミツヨシの内的な葛藤を軸に、隼人としての伊織の気持ちや新しく出てきた敵の圧倒的強さとその行動の理由など、読み応えがあって惹かれます。終盤のバトルがまた良い。圧倒的な強さを持つ天叢雲が使えない状態のタメと、よみがえった時への流れが上手い。もう、ミツヨシが己の気持ちに気づいたとこなんてキタキタ〜! って感じでした。

ミツヨシをメインに伊織との関係を、これでもか! というくらい本巻ではねっちりと描いていたのは大正解です。
ミツヨシの義妹の策略で、男に戻れなくなってしまった伊織に責任を感じてなんとかしようとするミツヨシの行動が、もうすごい。ストレスが限界を超えると男に戻るという事を利用してなにやるかと思えば……キスです。舌を絡ませるは、全身を舐め尽くすはのフルコース。そこはラノベなので匂わせて朝チュンになってしまうのですが、読み手の妄想エンジンが止まらないようなシチュエーションでした。

それだけならエロで誤魔化したと思われるかもしれないけど、それはジャブ。本当に良いのはその先。忠義と傷つけてしまった事への責任感で伊織を守っていると思っていたミツヨシが、伊織に徐々に惹かれていき、悩む姿がもう可愛くて。強い女の子が胸の内に沸き上がる好きという想いを持てあますというシチュが大好きなので、今回の話はストライク。

あと、ミツヨシの義妹がまた強烈で奥行きを与えていたと思いますね。狂おしいほど、姉が好きだから振り返ってもらうためには「憎まれる」ようなことをあえてするという倒錯さはすごいや。さらなる黒幕のホウライも冷徹でスケールが大きそうな悪役っぽい感じなので、次巻以降の話の拡がりに期待しちゃいます。

失礼な言い方だけど、1巻はミツヨシが可愛いなぁぐらいでほとんど印象に残らなかったので期待していなかったのに。良い意味でやられました。
だからですね。タイトルは今回もアレですがそれで本書を回避するのはもったいないかと思います。迷っていたら、読んでみたらどうでしょう?

表紙のミツヨシはエロカワ格好良い感じでとても好きです。本当に好きですね。大切な事なので、2回言いました。