パンツブレイカー

「……なに、マサ兄のクラスって露出狂集団なの?」
「露出させたのは、あなたのお兄さんです!!」
「あ。勝手に近づいたくせにマサ兄のせいにする人にはぱんつあげません」

パンツブレイカー (一迅社文庫)

パンツブレイカー (一迅社文庫)

半径2m以内に近づいた人間のパンツを消してしまう能力(ギフト)「パンツブレイカー」を得てしまった主人公。社会生活を営むには地味に問題となる力の為、爪弾かれた果てに政府が密かに集めているギフト持ちの学園に保護されるが──。

やべぇ、ノリが面白い。人を選ぶと思いますが、おバカで軽いノリの娯楽として読めて楽しかった。パンツが消えちゃう事での騒動を書きつつ、兄妹の絆をちゃんと描いている部分がきちんとしていて良い意味で想像を裏切られたかな。
パンツを消す能力、ってことで変態路線の主人公かなぁーと思いきや芯がしっかりしている部分にも好感が持てます。普通もっと腐っても不思議じゃないけど、妹の美幸が信じてくれていたからなんでしょうね。

そう。パンツブレイカーは兄妹の絆をハートフル・ラノベなんです。イヤ、まじで。
影那さんも良い娘だけど、ともすれば変態扱いされる兄貴を信じて助けてくれるんですから。
能力を授かったのは彼のせいでもなく、人の迷惑にならないように生きているんだ、と全面的に受け入れて味方してくれるんだもん。そんな兄のために彼の世話をしている姿に絆される。主人公、お店にも買いに行けないのだから面倒みるの大変だよなぁ……。

まぁ、美幸に癒やされつつ基本ギャグなので深く考えずにオチを読んで笑うのが本作の楽しみ方かな、と。もう、莫迦でいいなぁもう。こういうの本当に好きです。
続き出て欲しいですねぇ、うん。