やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。３

「……ありがと、バカ」

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。3 ドラマCD付限定特装版 (ガガガ文庫)

由比ヶ浜が気持ちの置き所を見失い、八幡や雪ノ下と溝が深まって奉仕部に来なくなってしまう。その状況をみて、顧問の平塚先生は八幡達に「人員補充」命令を下す。それに対して雪ノ下が考えた方法は──。

今回はどちらかというとサブな役割でしたが、由比ヶ浜ってやっぱり可愛いな。そう感じてしまった台詞です。寂しがりで照れ屋の女の子がこう呟くのって、破壊力あるなぁ。こういうシチュエーションは好きでたまりません。

いやしかし。本当に面倒くさい連中だなぁ……。まぁ、そこが面白いのですが。面倒くさいのは雪ノ下と八幡だから故に起きているわけですけどね。
由比ヶ浜を戻すために動きつつ、メインは雪ノ下を見せる巻に思います。クールで毒舌だけど、猫大好きというのはお約束ですがやはり効果的。ここらへんは王道で動いてくれるので、我らが八幡がしょうもないダメ人間っぷりを演じても安心して読めます。
まぁ、ダメ人間もココぞ！　という所はちゃんと（無意識に）押さえているので、ズルイですね。雪ノ下と彼女の姉の笑顔の違いを指摘する所はもう。

ストーリーとしてはあまり動いていないので、各キャラの仕草や想いの端を少し掘り下げて奥行きを与えた巻かな、という感じを受けました。雪ノ下がメインなら、何気にサブヒロインである小町や平塚先生に対する印象が深まった気がします。
小町は流石、八幡妹だと感じさせるヘンな雰囲気を醸し出しつつも、良い娘だなぁと思ったり。兄想いだし、由比ヶ浜や雪ノ下への配慮や好意の示し方は好きです。

あと、平塚先生がっ！　冒頭の人員補充を命じる真の意味とか、本当に良い人だ。俺の佳い人になってくれ！　と惚れちゃう位に素敵な女性だと思います。……が、どうして婚活パーティですら上手く行かないのか。短編集が今後出るとしたらフォーカスが当たるんでしょうね、きっと。

義輝については、うざさがパワーアップしているけど憎めないヤツだなぁ、と後半のエピソードで思わされる。でも、一緒にいたらやっぱ暑苦しくて辛いかも……。

前巻までの事に決着がつき、新たな伏線も張られた本巻。次巻がどう動くか、楽しみです。

特装版でドラマCDも聴きましたが、声の雰囲気は良いですね。声優さん、ホント凄いです。