のうりん 2

「B組のBはBLのB!」

のうりん 2 (GA文庫)

のうりん 2 (GA文庫)

農業高校の朝は早い。日の出と共に起き、必要な野良仕事を行って授業が始まる。A組以外のバイオ系や植林、流通などの他のクラスとの交流もあって──。

もう、ノリとパロディのチョイスと使い方の上手さで笑いっぱなしでした。四天農って上手い引っかけ以上にキャラが凄かった。いや、酷かった……か?
冒頭の台詞(本来ならBioだろうに……)のバイオ鈴木なんて、「乳酸菌とってるぅ〜〜?」でゴスロリ少女風のそれなんて銀ちゃんですもんね。しかも発酵……ではなく、腐っている腐女子。発酵と腐敗って、人に有益になるか否かであって過程は同じなんですよね。そこまで計算して出来ているキャラなんだと考えると凄いのですが、バイオ鈴木のやっていることは酷かったw ヨーグルトをねぇ、あんな事に使うとはねぇ。
でも、四天農たち憎めないなぁ。次巻以降でもまた活躍して欲しい。

キャラについては良田さんに惚れそう。アヒルの雛を孵して面倒を見る章「おかあさんといっしょ」は、端からみたらバカに見えることを真剣にやる姿が微笑ましかった。本当に動物への愛があるんだなぁ、と。もちろん育てて命を奪う理由も(前巻で)分かっているわけで、それを考えると凄いな。

にしても、である。農業高校で行われている(であろう)真面目な内容を切り取って、これだけ面白可笑しく書いてしまうのは凄い。その上で、シリアスな農業従事者が直面する苦悩についても真摯に書いている所には恐れ入ります。ギャグな部分でも十分評価されると思いますが、それだけじゃないからこそ、のうりんは読んでいてグッとくる。

終盤読んで思ったのですが、ちょっとコレ持ってくるの早いのではと感じたり(あのオチは耕作、不憫やら……)。内容に文句はないのですが、あと数巻で完結してしまっても不思議じゃない流れなので……。
もっと「のうりん」を読んでいたいので、スローライフちっくにのんびり進んで欲しいなぁ。