おおコウスケよ、えらべないとはなさけない!

「──天野井。俺、読んでいるぞ」
「──これからもこの先も読むぞ」

おおコウスケよ、えらべないとはなさけない! (富士見ファンタジア文庫)

おおコウスケよ、えらべないとはなさけない! (富士見ファンタジア文庫)

野球部を辞め、特に何もすることなく暇な時間を図書室の窓辺で過ごす中二の少年、昴介。窓から女子テニス部を覗くのに飽きてしまった時、天野井螢から焚きつけられる感じで一冊の本を手にして──。

これは構成の妙かなぁ。すごいスロースタータで、物語としては1巻で序章終了と言える感じ。なのに、先が気になる展開で自分としては面白かった。正直な話、100ページくらいまでは、テンションとノリがいいだけの話かなぁと思っていたのですが……。
ランガナタンの図書館の話が出てきてから、雰囲気が変わって来てオヤ? と期待が頭をもたげた。
──そして、それは間違っていなかったと思ってます。

螢のその後と、高校入学で出会った彗。
えらべねぇーよ、この時点で。いや、ホントに。読んでから分かりますが、このタイトルは卑怯やでぇ〜〜。

個人的には明るくてノリが良い、彗がとても好きだなぁ。なぜ、彼女が主人公にちょっかいを出してくるのか、気になりますし。早う、続きが読みたいです。

突っ込んで書きたいけど、未読の人が間違ってこのページを見ちゃうと切ないことになりそうなのでこの辺で。

p.s.本作で一番抉られた場面:
「本オタクってのはな──もてないんだぞ──」
余計なお世話だ三十二歳!
主人公とシンクロして、突っ込んでしまいました。ツッこんでしまいましたとも……。