俺はまだ恋に落ちていない

「……あっ!!　そのっ!!　よ、よく恋愛マンガなどで殿方に対し『友達でいようね』と言い告白をお断りする場面がありますが決してそのようなものでなく赤井様を傷つけるようなことを言うつもりはなくっ!!」

俺はまだ恋に落ちていない (GA文庫)

俺の妹にアタックしていいぜ？　と悪友から手渡された『アタックけん』と共に二人の妹が紹介されて面食らう事になる主人公の赤井公。顔を見せれば喧嘩ばかりの美少女姉妹に巻き込まれていって──。

楽しいボーイミーツガールズものでした。そう、ガールズ。つまり美少女姉妹との三角関係なお話。とはいえ、コメディタッチで明るくさらりと書いているので読んでいてドロドロしているという印象はない。むしろ、甘ったる〜く、きゃっきゃ・うふふ的なじゃれ合いって感じが強い。いいなぁ。ファンタジーだろう、それ。
姉妹という部分を除けば、良くあるラブコメの定番とも言えるのですが……。ハマった。妹の詠羅ちゃんが素敵すぎです。中学生も最高だぜ!!……じゃないですよ。本当だよ？　と、戻して。彼女の丁寧語口調でいながら、切れ味の良い毒舌少女。でも、好きな相手に図星を指されると途端にあたふたしてしまって……。ホント自分の好きなタイプで、全くもってツボでした。

もう一人の妹、恵衣美も明るくて友達想いの気持ちの良い子なんですが性格が正反対で、二人が居るところでは本文中も喧嘩ばかり。まぁ、口げんかなんですが、もうポンポン言葉が飛ぶ飛ぶ。しかも二人とも主人公に惚れてしまい、取り合うまで発展して行く所はにやにや出来てとても楽しいものです。
エンディングのオチについては、第一関門クリア。だけど、その後はもっと大変じゃね？　という流れですけど、まぁ羨ましい限り。

あと、ヒロインの家に仕える使用人である愛子さんや橘さんも、中々愉快であり一癖ある感じで雰囲気を盛り上げてくれたかな。元庭師の橘さんって時代劇で言う、お庭番つまり忍者のメタファかなぁと思わせる描写は面白い。

新人作なので荒削りな部分もありますが、ヒロイン達が可愛く魅せていたので自分は好きです。
続きが出たら嬉しいですね。