ログ・ホライズン 5 アキバの街の日曜日

「お姉さん風。……よい響きではないか!」

ゴブリン戦役が集結して数ヶ月。生産系ギルド系のお祭りイベント即売会「天秤祭」がアキバで行われる事になった。大きな戦いを終え、平和な祭。そんな中、シロエを慕うギルドメンのミノリとアカツキが、彼を巡ってケーキ食べ放題に──。

ラブたっぷり。ごちそうさまです、げふ……。いやぁ、ミノリとアカツキのシロエへの想いがハッキリと浮かび、二人で恋のさや当てがにやにや出来て良かった。
アカツキがもうね、良いんですよホント。大学生なのに中学生と思われる幼い外見にコンプレックスを抱いている描写が可愛いというか。冒頭に上げた台詞なんて、読んだ瞬間にアカツキをハグしてぇと想うほどの愛らしさですもの。
そんな彼女が恋敵のリアル中学生のミノリの思量と、シロエの立場まで考えた上での立ち振る舞いを見て落ち込む所が切ない。

ああぁ、可愛いすぎでもうたまらない。アカツキ好きにはグッとくる巻でした。いや、ミノリも良い子なんですけどやっぱりアカツキ派としては、ねぇ。

ストーリーもただらぶらぶで終わらず、大地人のそしてその背後にある西の冒険者の動きがちらつき、騒動とそしてその後の展開を想像させる流れが上手い。ラストに出てきた濡羽の存在感はすごいなぁ。彼女、狐耳もちなのでそれだけでくらりときてしまいます(どーでもええちゅうねん、このケモノ娘好きが)。

今回は商業をからめた、頭脳戦でこういう方向での展開は流石、政治・経済ラノベでもある「まおゆう」の作者の面目躍如という感じで面白い。そこで開花するミノリの姿は、今後の彼女の活躍も楽しみ。

鈍くて、朴念仁のシロエはもう、ホントもげろと言いたいですね。アカツキ、ミノリだけじゃなくて何気にヘンリエッタさんまで惑わしていたとは。腹黒メガネ、恐るべし。
あと、ソウジロウについては挿絵をみて、うーむと。もてっぷりがぱないです……。