僕の妹は漢字が読める2

「私のお兄ちゃんだもん! 触りゅな!」

僕の妹は漢字が読める2 (HJ文庫)

僕の妹は漢字が読める2 (HJ文庫)

改変された元の世界を戻すため、『おにあか』を生み出す切っ掛けとなった『あにマジまにあ』を奪い返すため、21世紀に戻ってきたが、中々上手く行かなくて──。

クロハがこんなに可愛いとは。一巻ではそこまで印象深くなかったのだけど、2巻のクロハはヤバイ。最終兵器義妹……なんて、莫迦な事を思うくらい。なんで、こんなバカ兄貴を慕っているのか、その理由が分かってすとんと腑に落ちる。兄好きな部分が、ぽろぽろ描写されて行くので、加速的にクロハが良いなぁと思う流れ。やきもち妬く女の子って可愛いですよねぇぇぇ。
まぁ、逆にユズさんのアレな加減も悪目立ちしちゃうのは可哀想か。もう、緊縛で投げ縄に秀でる一流の縄師というイメージが……。

ストーリー的にも伏線張ったり、時間SFモノらしいギミックをきちんと入れており、構成としては中々上手いなぁとも感心。23世紀の萌えのみという価値の画一化されたディストピアをメタ的な観点で皮肉っているのが、やるなぁと。一本スジが通っていて地味だけど感心してしまいます。
その上で、ネタがもう面白い。というか、どうやったらこんな事思いつくんだろうと、本気で驚きます。こんな作品書ける人ってそうそう居ないかと(エロゲーの竹井10日のお姉ちゃんの3乗のノリをふと思い出したり)。

出来ないという意味では、オオダイラ先生の文章はすごいなぁ。近代文で200文字使う意味を、「なめたい」で纏めるかぁ〜! 思いつきませんって。

続きも気になります。