ある朝、ヒーローの妹ができまして。

「こんなことで、満足なんかするな! 迎えに来てもらっただけで満足なんかするなっ! 君はもっと、もっと幸せになる、俺が幸せにしてやる。……だから、こんな程度で満足してるんじゃないっ!」

世界を救う文字通りの英雄を両親にもつ主人公。そんな両親がまた世界を救ったついでに行き場のない少女を妹にしたと聞いて、出会った少女。未来からやってきた彼女は「妹」として一緒に暮らす事になったが──。

未来人のユエ、可愛いよユエ。そして凛も可愛いかった。ヒロイン達が、こうぎゅーっとハグしたくなる可愛さで描くのが上手いな、ほんと。幼きモノへの愛が溢れるエヴァンジェリストですね、餅月先生は。いえね……。

“浮かび上がった形の良いくるぶし、すべすべのすねと、ふっくら柔らかそうなふくらはぎ、小さなひざを曲げ、上手く衝撃を殺してから、キャスティアはゆっくり体を起こした。
 張りのある幼い太ももが、朝日の光を受けて、輝いていた。”(P20より引用)
こんな描写するんだもん、もう恐れ入りました。素晴らしいですわ。本当に、もうw

前二作同様、ろりモノですがえろえろしい、と訳ではなくもう愛でるというか、なでなでするというかそんな感じ? ある意味、ガチな精神的ロリものなのかもしれんです。見守る愛なら良し。

メインヒロインのユエが、次第に心を開いていく所が良かったし好きです。平和のためと、感情を無くして生活していた未来から現代にやってきて、あまりの違いに戸惑いつつも心を取り戻していく姿がいい。凄惨な過去から立ち直った凛が、ユエに反発しつつ彼女を受け入れ、救おうとする所もあってストーリーとしても上手く流れを作っていたと思います。主人公もユエを救う所で、ちゃんとお兄ちゃんしていたので良かった。

ヘンに要素を突っ込みすぎず、可愛いヒロイン達の仕草を読んで気軽に楽しむことが出来るラノベとして気に入っています。
この作品に関しては、主人公は朴念仁な鈍感じゃないとまずいですよね。あくまでも「お兄ちゃん」を徹してくれないと、ギリギリの線が決壊して、ダメになるかなって想いがあります。

あと、前作、前々作の小学星のプリンセスやロイヤル☆リトルスターの設定も一部出てきて、既読の人ならにやりと出来る作りも心憎いです。
ユエと凛が良い感じだったので、続き出て欲しいですね−。