アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者
「旦那様、どうか、私はミュセルと呼び捨てにしていただければ!」
アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者1 (講談社ラノベ文庫)
- 作者: 榊一郎,ゆーげん
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/12/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ミュセルが可愛い過ぎる。というか、俺を雇ってくれ、マジで。こんなに純粋なメイドさんで自分を100%慕ってくれるですよ?
いや、これはツボすぎた。流石ベテラン軽小説家の榊先生、やってくれたなぁ。
自宅警備員の強制退職を突きつけられて、職を探したら異世界でオタク文化を伝授する仕事に。異世界コンタクトものでこんなの無いわーと思わせるが、オタク文化が成り立つ平和の意味や価値の平等という真面目な部分も描いて、なるほどと話を楽しめるように書いたのが本作。
日本がエルフやドラゴン、果ては魔法がある異世界と繋がって、さて? と手をあぐねた官僚に放り込まれた主人公とその世界との交流。面白かった。
ファンタジー世界に日本のオタク文化である萌えを持ち込み貿易をという、反則技なんだけど、さすが榊先生。しっかりと世界観を作っているので、コメディな部分で笑わせつつ、異世界ならではのズレを上手く話として読ませるなぁという。
根本はキャラが上手く表現されているからハマル。異世界で差別されているハーフエルフのミュセルがもう、これでもかというくらいに可愛く描かれていて、絆される。どうしょうもない人間だと自覚している主人公が、彼女に畏敬されてしまったら心揺らぐよなぁ、というのをキチンと描いているので自然と楽しめてしまう。
あと、わがままなロリ皇帝陛下が良い感じで絡んでくる。最高者故の孤独を、身分制なにそれ? という鈍感な主人公が距離感ゼロで近づいてきて心を寄せる所はもう王道なんだけど可愛いなぁと思わせるのはズルイなぁ。
ロリ皇帝とミュセルの確執とその和解のプロセスはあざといけど、心地良いし。
異世界交流の難しさを描きつつ、エンタメとして気軽に楽しめる本作は読んでいて楽しかったです。ミュセルとのいちゃいちゃを読みたいので続きを早く、と思う読後でした。