龍盤七朝 DRAGONBUSTER 02

「──なあ、お主は、あの月華という娘のことをどう思っておるのだ?」

龍盤七朝 DRAGONBUSTER 〈02〉 (電撃文庫)

龍盤七朝 DRAGONBUSTER 〈02〉 (電撃文庫)

兄弟子の蓮空が武人の憧れ、大比武に出場する。強く、修練も怠らない彼は勝ちを収めて掃きだめのようなここから飛び立っていくのだろう、と我がことの様に嬉しく思う涼狐。だが──。

秋山節が炸裂し、読み応えがあり面白かった。優しく綺麗で、しかも悪趣味でいるのに読み手を惹きつけてやまない麻薬のような作品だなぁと。冒頭の目を覆うような凄惨な描写から、場面は変わって光り溢れる希望が満ちるエピソードへの展開していくので読んでいて戸惑う。でも、それがイヤではなくて何が描かれるのか分からない事への期待に繋がるのだから上手いとしか言えない。

緻密に設定された世界観に酔いつつ月華が涼狐がそれぞれの出来事に巻き込まれ、あるいは巻き込んで物語が進んで行くのを追いかけるのは楽しかった。
中盤に月華と涼狐が良い雰囲気になってきて、にやにや出来る部分はすごく好き。冒頭に取り上げた台詞の場面はもう、キター!!って感じで、ラブっぽい感じが良いのですよ。
……と思っていたら状況が暗転。卯人に蔑まされている涼狐にとってすがるような良き思い出が踏みにじられ、そしてさらに──。

ここまでやるんだ。やってしまうのね、『また』。
このヒキでは続きが気になる。そう、全二巻で終わらなかった……というか、終わらないでしょうこれ。次巻でも終わるのかしら?
内容が濃くて納得する流れなので、続く分には不満はありません。
──続きがすぐに出てくれれば。

なぜ、DRAGONBUSTERなのか。その理由っぽいモノも見えてきて続きが本当に気になります。