ヒカルが地球にいたころ……3 若紫

「これをみて、一緒にロリコンを矯正しよう」

ヒカルが成仏できない心残りの少女の三人目を紹介されて是光は目を剥いた。しーこ──若木紫織子という9歳の小学四年生。しかも、しーこはヒカルにバージンを貰って貰うという約束をしていたと! 驚愕し、ヒカルをロリコン皇子と非難する是光。しかも、是光に襲いかかる災難はとんでもなくて──。犬とお呼びください、ワン(えっ?

光源氏を底本にしていれば避けては通れない幼女のお話。いやぁ、とても良く出来ていて、コメディもあり、しんみりとさせる所や、予想を心地良く裏切るなど読み甲斐がありました。
しーこが見た目の可憐さと違い、是光を罠に掛けて犬呼ばわりするは、エロオヤジを陥れて金を奪おうとするは、「恐ろしい娘」って感じなんですが、それは前振り。
しーこの心を纏う固い衣が是光の体当たりな行動によって一枚一枚脱がされて剥き出しにされると、本当は心優しくて護って上げたくなるような可愛らしさに目を奪われてしまう。このヒカルシリーズの特徴の一つのせいで、読むのが止められなくなるように思います。

なーんて、固いことを書くのはヤメ!
帆夏ですよ、帆夏。本当に可愛い娘だなぁ、もう。
今回はしーこがメインですし、彼女もロリ可愛いのは分かるのですがやはり帆夏の是光に対するもやもやしたり、心配したりする所の描写が素晴らしかった!
もう好きでしょうがないのに、素直にそれを伝えられない(是光が葵に失恋した、と勘違いしている1巻の設定が絶妙ですね!)帆夏の姿がもどかしくて、良いのです。
一人になると色々考えすぎて煮詰まって、けれど是光を前にすると心とは裏腹につっけんどんに答えちゃうとか。王道は大好きです!

ロリコン道に堕ちたと勘違いした帆夏が扇情的な服装で(恥ずかしそうに)是光をカラオケボックスに誘い、是光矯正のため、と買って来た(!)エロ本のページを(真っ赤になって)めくって、大人の女の身体の良さをしどろもどろに説明するとか。
帆夏さん、キミはどれだけ可愛いンですか!!

まぁ、そんな感じでロリ小悪魔な天使のしーこと、恋する乙女120%な可愛い帆夏が堪能できた素晴らしい巻でした。

ラストに帆夏ちゃんピンチっ! という爆弾発言がありましたので次巻も目が離せませんね。