織田信奈の野望 9

「俺なんて、俺なんて、赤ちゃんができちまうようなうらやましい経験を産まれてこのかたしたことがないんだぜえええええ!?」

織田信奈の野望 9 (GA文庫)

織田信奈の野望 9 (GA文庫)

ホント、この9巻だけでも、鹿之助とか光秀とかと赤ちゃんできるような事が出来そうな活躍しているのにねぇ。鹿之助を止めるシーンは彼女が良晴に落ちるのも当然かと。……あ、この娘は超Mだから、堕ちるが合うかも?

にしても、9巻は熱い! 燃える! 様々な人の想いが描かれていて読み応えがあるのなんの。こういうの大好きなので読むのが止まりませんでした(お陰で寝不足)。

本道の信奈を慕う良晴を始めとした織田家の姫武将達の信奈への深い想い。戦線を放棄して信奈を救うために京へ集結。それが伏線となって、絶体絶命の良晴たちの所に駆けつけてきたところは「きたきたきたーー!!」って感じで漲りますって!
こういう盛り上がりのある見せ場が上手いなぁ、本当に。こういうのは読んでいて良かったと思う瞬間ですね。

そして意外だったのが、敵たる宇喜多直家の描写の濃さ。というか、おまえ渋すぎだろう。秘めた哀しみと娘秀家への一途な愛情。直家の腹黒い卑怯な振る舞いが実に人間らしい情ゆえのものだったというのは感じ入ります。そりゃ、娘一途になるのも分かる。
けど、超リア充だから爆発しちゃえとも思いますがw

お姉さん系の長秀が今回は特に光っていて、久秀を失った信奈の悲しみを抱きとめる姿は印象深いですね。信奈を本当に想っているんだなぁと。

半兵衛ちゃんが、とか久秀の生き様とか思う所が色々な本巻。近いうちに再読したいなぁ、と感じるほど凝縮されていたと思います。