2012年の読んだラノベを振り返って
新年が明けての初記事……というにはちょっと間が空きましたが、2012年に読んだラノベを振り返って20タイトル挙げてみました。10本にしようと思ったけど、絞りきれないし自分の好きでやる部分だから、良いよね? みたいな……。
期待の新シリーズ、まだまだ行くよ継続作、期待の新人枠、単巻ベスト、完結秀作、その他って感じで分けてます。
【期待の新シリーズ】
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン
精霊が人間に使役されるファンタジーの皮を被った、国の興亡と国家間の戦闘をガチで描く骨太の戦記モノ。腐敗した国を救おうと王位を狙う幼い皇女(ぐっと来ますよね)と彼女が頼る、一見ぐーたらな昼行灯な主人公。そんな彼が見せる知略で仲間を救い、陰謀を阻止する所は王道らしい楽しませ方です。戦争ゆえの犠牲の描き方がシビアでイイキャラが容赦なく死んでしまう所は凄いなぁ。
俺、ツインテールになります。
ラノベだからこそ読めた、と思う怪作その1。ツインテール好きな主人公が魔法少女(もちツインテール)に変身して、悪の怪人と戦う……。出オチかよ! と思ったらさにあらず。凄く熱い物語でした。変態だけどねぇw でも、パロに頼らないギャグや、特撮モノのお約束を使った燃える展開。素晴らしい。タイトルでどん引きせず、もっと読まれて欲しい。
黒鋼の魔紋修復士
主人公がヒロインを正論責めしまくる描写がすごく面白い。ヒロインが脳内お花畑という感じなので読んでいて胸がすっとします……ってドS向けなんでしょうか? 国家間の戦略のぶつかり合いとか、主人公と彼を取り巻く仲間達の絡みや描写も面白い。登場人物が多い、群雄モノが好きな人間にはたまりません。
ヒロイン達を如何に裸に近いようにするか、考え出された設定はすごいなぁ。
学園都市アスタリスク
大風呂敷な設定と実は俺Tueeeeが好きです。まだ1巻で設定の説明が多い感じですが、ヒロインたちが可愛い。初めはとげとげしいけど、落ちる系のチョロインなユリス好きです。腹黒生徒会長様の動きも目が離せないです。
【まだまだ行くよ継続作】
覇道鋼鉄テッカイオー
敵が魅力的で思わず「様」と付けてしまいます! 悪の美学というものが、武侠というジャンルのお陰で凄く格好良く魅せてくるのです。もちろん、主人公サイドも苦悩を背負いつつも前向きに生きていてイイ連中なんです。
でも、1巻のグントラム様の生き様を見せ付けられちゃうとそっちの印象が強くて。2巻のミャウ様がまた気高く、そして実は乙女というツボ。お茶目だけど鬼強いじじいとか、燃える!(伊東岳彦好きならすぐに読め)
BIG-4
平凡な人間の主人公が魔界の四天王の一人になっちゃった。それだけの設定なのだけど、凄く面白いコメディ。パロに頼らず、発想の突飛さと絶妙なテンポでぐいぐいと読ませる。ヒロインでもある同僚のキャラが王道だけどまた可愛い。ホント、バカです。
そして、自分はそういうのが大好きです。
ブラック・ブレット
ロリ属性向け、と思わして実はエグぃ落とし方も。けど面白いんですから作者はもう神か悪魔か。変異生命体に囲まれている人類の絶望感の重さが辛い。そして体内のガストレアウィルスと戦っている延珠たち少女と主人公が見せるつかの間の日常シーンがとても微笑ましく、楽しい。設定とそれが生み出す光と影のギャップに惹きつけられます。
強気な延珠はすっごく可愛いです。ポスト円環少女という感じ。
ミスマルカ興国物語
元々面白いのですが、帝国編になってから加速しました。ええ、帝国三姉妹が魅力的すぎです。ユリカの中2病にシャル姉の怖さとお茶目な描写とか。一途なルナスはもうホント可愛いし。シリアスとギャグのブレの幅は凄いのに一つの物語としてきちんと成り立っている作品はそうそう味わえないです。林トモアキ世界のキャラがガンガン出てくるので奨め憎いのが唯一の欠点か……。
前後関係無く、「ミスマルカ興国物語 エックス」を入門書に進めるのもありかな、と思う今日この頃です。
青春ラリアット
友情モノとして本当に熱い。主人公の悪友である月島が超脳筋なバカ。だけど、一本気でめちゃめちゃ気持ちがいい男で惹かれます。そりゃ、コイツならヤクザの組長とマブダチになるわ、という説得力。メインヒロインの長瀬が主人公の親友に恋しているという変化球な設定が、彼女の強いキャラ(毒舌で強いが、好きな人の前では借りてきた猫のように)のお陰で光っている。
アウトブレイク・カンパニー
ミュセルが可愛い!! こんなにも自分を慕ってくれるメイドさん(種族:はーふえるふ)がいるなら異世界に行きたい! というミュセル一点でも押しです。もちろん、内容もまた素晴らしいです。異世界交流に日本のアキバ文化を持って行く、なんて発想がまず面白い。彼の地で起きる騒動が、コメディに、そしてシリアスに描かれて読ませる腕はさすがベテランの榊先生。
問題児たちが異世界から来るそうですよ?
単なる俺Tueeeee!! だけじゃありません。よく考えられた設定と魅力あるキャラが多く目が離せません。群雄モノが好きな自分にはベストマッチでした。しかもヒロイン達も可愛いですし! 黒ウサギやお嬢に、実は心優しいペストなどよりどりみどり。
【期待の新人枠】
瑠璃色にボケた日常
退魔モノでお笑い。よくこんな設定を思いついて、楽しませるものに書けたなぁとびっくり。しっかりとしたストーリーとヒロイン達の確執と和解も納得いく形で読めました。瑠璃も翠も自分というモノを持っていて、どちらの主張もなるほどと思うものでしたし、行動も可愛くて良い。
あと一発ネタで出てきた「満開ロリロリ天国」には思わず吹き出しました。こういうノリ大好きです。
白銀の救世機
人類詰んでる……。そう思わせる絶望感の中に唯一の希望。そんな描き方のされる救世機が巨大ロボものの格好良さがあってイイですね。旧人類の生き残りのヒロインと感情を求め「人間」になりたい主人公の心の交流が、大変良いボーイ・ミーツ・ガールとなっていて素敵です。SFでいうポスト・ヒューマン的な話ですが、どっちかというと「ピノキオ」か「オズの魔法使い」的なわかりやすさなので、ライトSFとして楽しめます。
【単巻ベスト】
森の魔獣に花束を
綺麗で切ない話。交わらないはずの魔獣の少女と少年の心の結びつきを描ききった童話のような物語。残酷だけれども、ラストにほうっと心が温まり、余韻が残る作品って中々ありません。本書はそんな貴重な一冊。
小学生くらいの時に読んだらもっと印象深いような。感受性が豊かな年齢の時に出会いたかったとも思います。
【完結秀作】
僕の妹は漢字が読める
ラノベだからこそ読めた、と思う怪作その2
オオダイラ語の頭がぶっ飛んだ話かと思った1巻からは信じられないくらい、ガチSFしていた最終巻。こういうのが読めるからラノベって好きなんだ、と再認識させられた本作。過不足無く描ききり、ラストにタイトルが戻ってくる終わり方は最高に素晴らしい。クロハが可愛い過ぎて、落ちた後のセリフにはゾクゾクしました。
も女会の不適切な日常
3巻で完結とは早すぎる……。残念ではありましたが、逆にダレること無く密度の濃い描写で楽しめたとも言えるので悶えます……。SFでミステリーって、それなんて富士見ミスですか! ループものに外れ無しと言う言葉を補強する本作。やっぱりもっと続き読みたかったなぁ。物語中盤の不適切な日常の意味が分かってからの疾走感が爽快でした。ヒロインの愛やユーリやちだね先輩等々、みな魅力的でしたしね。
Tとパンツとイイ話
幼馴染みは正妻ポジション。いにしえの伝統を復活させようとしていた本作はコメディとして大変面白かった。この作者じゃなければ出ないよ! というバカなネタやシチュエーションにハイテンションで変態なキャラクター。素晴らしかった〜。特に幼なじみの性格がぶっ飛んでいて、先が想像出来ない。そして、可愛い。また悪友もまた、変態紳士なんだけど、天才で憎めない。次の作品も期待してます。
【やきもきさせる(続刊を果てしなく待つという意味でも)】
龍盤七朝 DRAGONBUSTER
2巻で終わるはず無いじゃないですか、もうー。で、あと何年待つんでしょう。
主人公とヒロインの心の交流を丁寧に描き持ち上げて、最後に滝壺にたたき落とすような絶望的展開に持って行く秋山瑞人先生、鬼です。だが、そこがいい。
絶叫マシーンのようなラノベが本作です。ええ、愛してます本当に。
【こんなに可愛い妹が現実にいるわけがない】
パンツブレイカーG
周囲のパンツを無差別に消す能力の兄を無条件で受け入れて、尽くす妹の美幸の可愛さに全て持って行かれた気がします。
妹(マイ)ホーム
広島弁しゃべる妹の真伊が可愛らしくてたまらんのです。方言娘のラノベもっと読みたいです。博多弁で「好いとうよ……」ってやられたら破壊力すごいと思うのですが。