魔力の使えない魔術師 2

「俺は。……魔術師だよ」

魔力の使えない魔術師 2 (ヒーロー文庫)

魔力の使えない魔術師 2 (ヒーロー文庫)

タイトルが物語りへ綺麗に繋がっていく作品って好きですねー。主人公が神様との約束で敢えて魔力を使わないという縛りが2巻でも上手く繋がっている。家族や仲間との絆というのがこの作品のテーマだと思うんですが、その絆を守るために障害となる縛りがいつもはらはらしてしまう。このもどかしさがたまらないなぁ。

というかですね。そんなことも良いんですが、一番はヒロインが可愛いんだわな。
特にファティマ。もう、この娘の描写がめちゃくちゃ可愛いんですわ、この巻。自分が好きなシチュが沢山でもうファティマ関連のエピソードはにやにやしっぱなし。ごちそうさまです!
ファティマはホントに一途で不器用なんだよなぁ。ユリスLove度が半端なく想いが深すぎ、というくらいに。だが、それがいいのです。
幼い頃ユリスに救われたと感謝し、そして自分のわがままでユリスを傷つけた(と誤解)と思い、それからずっとぼっち道を貫くとか、純粋すぎる。
そんなファティマがユリスに抱えていたわだかまりを解消し、再び隣に立てるようになって良かった……。
あと、ファティマ兄のシスコンっぷりも面白いですね。軍人としては有能なのに、妹に関しては空回りっぷりが素敵です。今後もちょくちょく出て欲しい。

今回、ようやく勇者と邂逅したのですがこれまた主人公ユリスの心を揺らがす人物が。しかも主人公との関係性がまた絶妙な位置の人物なので、読んでいてもどかしさがさらに倍増。いいぞ、もっとヤレ! っと思ったけど、ラストのヒキがすんごく気になる。良い方向で解決してくれればなぁ、と。