人類は衰退しました 平常運転

「おはようございます。え? いえ、ちっとも待ってなんか居ませんよ。服? ありがとう」

本編完結後の後日譚。サブタイ通り、平常運転の妖精さんゆるふわコメディ(ほんのりブラック風味)で楽しめました。
わたしと助手さんの少し進んだ関係がまたよろしかったですね。視察と言い張る、助手さんとの外での休日出勤。服を褒められて嬉しいとか、お弁当を作って助手さんと二人きりで食事を楽しむとか、きゃっきゃうふふ……な展開にすんなり行かないのはお約束ですね。

BD特典だった掌編のわたしがヘンな村訪問の旅行編。これも面白いアイデアが詰まった話ばかりで楽しかった。お菓子の腕で女王になるという南北の妖精さん争奪戦は良い意味でバカすぎ。北の女王様の圧政(笑)に耐えかねた妖精さんが脱北してくるとか、しれっと黒いネタもあって、ああ、田中ロミオだなぁと笑いながら読んでいました。

ちょっとしんみりしたのは、旅行編最後の孤児を集めた学校の話。妖精さんがお菓子を作る人間を育てちゃえ、という流れはアイデアとしてなるほど! と思ったんですが、ラストはぶっちゃけ妖精さん投げっぱなしでひどい。わたしが訪れなかったら大変な事になっていたんでは? とも思ったり。

とまれ、本編が終わっても面白さは変わらなかった。また、そのうち続きが読みたいですね。思い出したかのように数年後、というレベルでも構いませんので。

そうそう。後書きでしれっと新作のラノベの話が紹介されていてびっくり。
剣と魔法のファンタジーですか。期待しちゃいますね。地味なりに自分らしいものを書ければ、と謙遜していますが。田中ロミオが普通に書いたら、普通じゃないのができあがるよね。普通。
なので、期待してますわー。