ヒトの時代は終わったけれど、それでもお腹は減りますか?

「はい、小型戦車のお刺身だよっ!」

相次ぐ 戦争とパンデミックで人類は地球の盟主から陥落し、自らの科学技術が壊した自然に怯えながら生きる24世紀。旧東京都の片隅で様々な勢力が手出し出来ない非武装地帯の食堂を切り盛りする美少女料理人と同じく給仕兼食材仕入れの美少女が巻き起こす、美食礼賛。

 

SFxファンタジーx美少女(百合風味)x食=まぜて美味しい。

様々な要素ぶち込んでいるのに絶妙なさじ加減のお陰で上手く調和していて楽しめる。というか文章が軽妙でテンポが良いのでさくさく読み進められるのも大きいです。

wヒロインの調理担当のウカと食材仕入れ(狩り)担当のリコの凸凹コンビが引き起こす騒動が、全て食事につながるのですがその食材が、うんSF。

戦車食べるってなによ? と思うのは本編を読んでのお楽しみ。自分は心地良い驚きで、すごいな! と感嘆したくらいで。これは本当に発想がすごかった。

 

ジャンルで言うとSFなんだろうけど、ハード寄りに言っていないのがまた上手いさじ加減。本編中で出てくるSFガジェットの定義はどれも面白くて、独特な世界観を醸し出しています。ただそれはあくまでもスパイスにして、メインはウカがリコに持つラブぃ感情を軸に、人情モノで攻めてくるのでこういうのが好きな自分は喜んで受けて立つような感じ。

 

世界観がとてもビジュアル映えしますし、サブキャラも個性があってとても賑やかで楽しい話です。これは、アニメにしたら面白いだろうなぁと思いました。おそらく映像化向けな作品かな、と思います。

 

あと、90年代的な懐かしさがあるのに今風の新しさがあってそういう意味でも凄いなーと思いました。